がん個別化医療について
ゲノム解析の進展により、がん治療は患者ごとの遺伝子変異に応じた「個別化医療」の時代へと進化しています。
一方で、希少な遺伝子変異を持つ患者を特定し、治療や治験につなげることが大きな課題となっています。
国立がん研究センター東病院のLC-SCRUMは、この課題を解決する研究基盤として構築されてきました。
当社は、その基盤の構築・運営に関わってきた経験をもとに、研究の発展に貢献しています。
ゲノム解析の進展により、がん治療は“個別化”の時代へと進化しています

がん治療はこの20年で大きく変化してきました。2000年以降、ゲノム解析技術の進展により、がん細胞に生じている遺伝子変異を詳細に把握できるようになり、患者ごとの違いに応じた診断や治療、いわゆる「個別化医療(プレシジョンメディシン)」が現実のものとなってきました。
この背景には、ゲノム解析技術の飛躍的な進歩と、それに伴うコストの大幅な低下があります。かつては限られた研究環境でしか実施できなかった遺伝子解析が、臨床現場でも広く活用されるようになりました。また、米国ではオバマ政権下において「Precision Medicine Initiative」が提唱され、個別化医療の推進が国家的な取り組みとして位置づけられるなど、世界的にもこの流れは加速してきました。
この10年の間に、がんの診断に用いられる遺伝子パネル検査などの技術が発展するとともに、特定の遺伝子変異を標的とした分子標的薬が数多く開発され、治療の選択肢は大きく広がりました。現在では、がん治療は「がん種」だけでなく「遺伝子変異」に基づいて選択される時代へと移行しています。
一方で、個別化医療の進展に伴い、新たな課題も明らかになってきました。特に、特定の遺伝子変異を持つ患者は非常に少数であることが多く、適切な患者を見つけ、臨床試験につなげることが難しいという問題があります。この課題を解決するためには、大規模な患者データの蓄積と、それを活用した研究基盤の構築が不可欠となります。
このような背景のもと、国立がん研究センター東病院では、肺がん領域における大規模なゲノムスクリーニング研究「LC-SCRUM」が推進されてきました。全国およびアジアの医療機関と連携し、遺伝子解析を通じて患者を適切な臨床試験へとつなぐこの取り組みは、希少な遺伝子変異を標的とした治療薬開発を可能にする基盤として機能しています。
当社のメンバーは、これらの研究においてデータ基盤の構築および運営に関与してきた経験を有しており、その知見をもとに現在の事業を展開しています。
また、こうした研究基盤は日本国内にとどまらず、アジアパシフィック地域へと広がりつつあり、当社もその一翼を担う形で国際共同研究の推進に取り組んでいます。
個別化医療は今後さらに進展し、より多くの患者に最適な治療を届けるための基盤が求められていきます。
当社は、臨床研究の基盤を支える存在として、この流れを支え続けていきます。
